フランスの皇帝、かのナポレオンはこう言った。
   『一国の地理を把握すれば、その国の外交政策が理解できる』と。
   地理的条件から、国際政治の戦略を考える学問・地政学。
   
   移動手段が発達した現在、地政学は過去の学問だと言われる事もあります。
   しかし、国際政治はD・E・F(Diplomacy:外交 Economy:経済 Force:軍事)の3本柱よりなり、
   国際政治の舞台に於いて、20世紀前半に比べれば軍事面の比重は落ちたものの、
   代わりに経済面では大きく比重を増しており、
   地理的な外交政策を考える地政学は、現在でも重要な学問であります。
   
   いくら移動手段が発達したからといって、
   経済面では、資源や製品を輸送する為の陸路や海路の確保は重要であり、
   また軍事面に於いても、簡単にミサイルなど打ち込めない国際状況では、
   軍の駐留地や燃料・物資の補給地などの確保も重要な要素であり、
   こうした事でも、地政学は未だ過去の学問とは言えません。
   
   この『WorldWar2 Online』は、第二次世界大戦下に於ける
   そうした各国の地政学を意識して作ったゲームです。
   このページでは、そうした地政学的な関知から見た各国の戦略を、
   史実と照らし合わせつつ、順に書いていきたいと思います。
   
   ただ勿論これは参考程度で、ゲームをこう進めろと言ったものではありません。
   敵対しやすい国家だからこそ、逆に同盟を組んだりと、
   イフ(if)の世界観を楽しんで下さい。

アメリカ
  世界の超大国・アメリカ。
  特徴的には海洋国家ですが、海洋国家の多くを占める島国国家とは違い、
  北アメリカ大陸をあたかも1つの島とする事で、生産力の低い島国国家的弱点を克服しています。
  まあ史実では工業生産力や石油産出量が、世界の半分以上を占めていた為に、
  もっと強力な存在でしたが、ゲーム性を考えて若干弱めてあります。
  
  しかしその力は、ゲーム内に於いても、地政学的な利点から最も強力な存在です。
  アメリカの最も有効な戦略は、史実でのモンロー主義同様、
  列強国による南北アメリカ大陸への干渉を排除し、それを掌中に収める事です。
  南北アメリカの全土を手に入れるだけで、生産ポイントの合計値は200に迫ります。
  
  ただしそれだけでは、アメリカも生産ポイントが勝利条件に足りませんので、
  勝者となる為には、太平洋か大西洋を渡る必要に迫られます。
  渡海が必要となるのは不利と言えば不利ですが、逆にその他の列強国にとって、
  それだけの力を持つアメリカの渡海は、脅威的な存在となります。
  史実に於いても、アメリカの参戦はWW1、WW2と勝敗の帰趨を決する存在となりました。
  
  その為アメリカとしては、他の列強国からのアメリカ大陸への干渉を阻止する外交に努め、
  逆にユーラシアの列強国側は、アメリカへの対策を充分に練る必要があるでしょう。

ソ連
  帝政ロシアの時代から、世界一の陸軍国家と言われた国・ソ連。
  ヨーロッパからアジアまで、ユーラシアを股に掛ける超巨大な大陸国家です。
  
  地政学では、海洋国家に脅かされないユーラシアの内陸部をハートランドと呼び、
  史実に於いても、内陸部を鉄道網で結び、生産施設を集中的に増設する事で、
  敵国に脅かされない安定的な供給源を確保し、前線へと兵站を送ることを可能としている。
  このゲーム内でも、ユーラシア内陸部は唯一の角地的な性質を持つため、
  駐留軍を置かずに、純粋な生産ポイントの供給源とする事が出来ます。
  
  こうした利点を持つソ連ですが、一方でそれは多方面で列強国と接する事を意味します。
  ヨーロッパとアジアからの2正面作戦を強いられると大変不利となり、
  そうした面では、敵を多く作らない外交政策を必要とされます。
  史実に於いても、欧州戦線に兵力を集中するために、日本との不可侵条約締結に成功しており、
  東欧の分割にしても、仮想敵国のドイツと連係を組むなど、
  外交的にうまく立ち回ったと言えるかも知れません。
  (ヒトラーのソ連侵攻が、予想以上に早かったのは誤算でしたが)
  
  また、ナポレオンもヒトラーも、広大なロシアに対する遠征作戦に失敗しましたが、
  このゲームでは冬という概念が無いため、冬将軍の威力を表現する事が出来ず、
  代わりに生産力を各エリアに分割させて、大きな供給源を作らなかった事により、
  攻め込まれても急に瓦解する事がなく、持久戦が可能な設計にしました。
  あと、最初はソ連とアメリカを結ぶベーリング海峡を航行不能海域としましたが、
  アメリカの優位性を削ぐためと、明治維新直前までアラスカがロシア領だった史実を考慮し、
  ベーリング海峡を航行可能海域へと変更するに至りました。

フランス
  昔からヨーロッパ大陸の強国であったフランス。
  このヨーロッパ大陸に寄り添う島国国家であるイギリスは、
  大陸側に巨大な勢力が誕生する事を恐れた為、
  大陸の強国フランスとイギリスとは、長い間、ヨーロッパに於ける戦略的な敵対関係にあり、
  後の植民地主義による世界戦略に於いても、北米で、アジアでと対立を続けました。
  
  しかし19世紀後半、西欧で最大勢力であるものの分裂状態にあったドイツ民族が、
  ドイツ帝国という1つの国家の元に集結(国家連合的な特徴も色濃く残しましたけど)。
  これにより、欧州大陸の最強国であったフランスは大陸の2番手国家へと陥落。
  この統一ドイツ国家の登場により、長年の宿敵であったフランスとイギリスは、
  WW1を前に手を組むこととなり、植民地体制を保持する盟友ともなりました。
  
  地政学的には、同じヨーロッパ大陸にある共に隣接する国家・ドイツが最大の敵であり、
  フランス・ドイツ両国の挟まれ、生産力も優れたベルギーやオランダの低地諸国は、
  WW1やWW2でも両国により戦争の場となっています。
  また、対ドイツに関してはパートナーとなるイギリスも、
  西欧の大陸国家と海洋国家というのは、潜在的な仮想敵国でもあります。
  フランスとドイツ・イギリスとの複雑な関係は、現在のEUでの関係にも見ることが出来ます。
  最も有効なパートナーは、利権がぶつかりづらいソ連であり、
  史実に於いても両大戦はもちろん、その前からも露仏同盟が結ばれていました。

ドイツ
  遅れて現れた西欧の大国・ドイツ。
  もともと西欧にあって、ドイツ民族は最大勢力でありながら、
  神聖ローマ帝国・ドイツ連邦と言う独立国家の連合体であった為、
  勢力としては分裂状態にあり、なかなか強い力を保持できませんでした。
  しかし19世紀後半、ドイツ帝国という1つの国家の元にドイツ民族が集結。
  (まあ国家連合的な特徴も色濃く残し、オーストリア地域を含みませんでしたけど)
  
  ヨーロッパの中央部に誕生したこの強国の存在は、
  東西に隣接するフランス・ロシア、そしてイギリスをも恐怖させます。
  2度の大戦もドイツを枢軸とし、それと敵対する国家の間で行われました。
  このゲーム内に於いても、ドイツ・エリアは生産ポイントが最大の50で、
  ドイツ国家にとって重要なエリアであり、他の列強国にも脅威的な存在です。
  
  地政学的な理想の戦略パートナーは、欧州での権益が被り辛いイタリア、
  ユーラシアの両端からソ連を挟み込める中国、大西洋の向こうにあるアメリカ。
  史実に於いては、WW2ではイタリアと同盟を組みましたが、
  イタリアの無謀な戦線拡大により、逆に足を引っ張られる結果となりました。
  また中国との関係も、日中戦争初期に軍事顧問を派遣するなど友好関係にありましたが、
  結果として中国と敵対する日本と結んだ為、史実では有効な連係は取れませんでした。
  それとアメリカですが、両大戦ともドイツはアメリカの中立化を望んでいたものの、
  ヨーロッパを統べる超強大な国家の誕生は、南北アメリカ大陸への干渉の危機を意味する為、
  アメリカ側からすれば、そうそうに飲めるものではありませんでした。
  
  またちなみに、海外植民地はWW1の敗戦により全て失った為にありません。
  これは生産ポイントを得られない欠点はあるものの、
  既存の植民地保持を強いられない面は、戦略自由度の高さを持たせる為、
  一概に不利だとばかりは言えません。

日本
  東洋に勃興した列強国・日本。
  四方を海に囲まれた島国国家であり、典型的な海洋国家であります。
  
  島国であるために本国だけでは生産力も低く、海外への展開を必要としますが、
  しかしその太平洋では、東にはアメリカ、南にはイギリスと強国を抱えています。
  その為史実では、朝鮮半島から満州へと大陸側へ展開するも、
  それは海洋国家である日本に、半島国家、そして大陸国家としての性質をも強いられ、
  その結果、大陸側にソ連・中国という大国をも抱えることとなり、
  WW2では、海軍はアメリカと、陸軍は中国という、
  生産力に対して不相応な海陸2正面作戦を行い、そして敗れました。
  
  地政学的に見た場合、日本は大変難しい勢力です。
  海洋国家として、東南アジアやオセアニアなど地域を抑えに掛かるにしても、
  それはその地域に植民地を持つ英・米・仏との敵対関係を生み、
  太平洋で向かい合うアメリカとは、対立する特に可能性は高いです。
  しかし大陸への進出も、ソ連・中国の大陸国家とぶつかる事となり、
  両国どちらかとの外交関係の締結は、大陸進出成功の必須条件となると思われます。
  
  史実では、真珠湾への奇襲成功により、
  ハワイ−グアム−フィリピンというアメリカの防衛ラインを断ち切り、
  これは太平洋戦争初期に於ける、東南アジアへの日本躍進に大きく貢献したものの、
  残されたオセアニアはアメリカ軍反攻の足場とされ、
  また日米両国の生産力のあまりの違いは、簡単には覆せるものではありませんでした。

イタリア
  地中海に突き出た半島国家・イタリア。
  ドイツや日本と共に、19世紀後半に遅れて現れた列強国です。
  
  帝国主義の時代に乗り遅れた為、海外植民地も限られており、
  ゲーム内でも、中国と並び、スタート時で最も生産ポイントが低い国です。
  ただしこうした劣勢は、ローマ帝国という栄光の歴史をもつイタリアにとって耐えられるものではなく、
  イタリアの指導者ムッソリーニはローマ帝国の再興を目指しました。
  ちなみに戦略的パートナーは、利権がぶつかり辛いドイツでしょうか。
  
  地政学的には、半島国家という不利な状況を抱えているため大変難しいです。
  それは、半島国家はその向こう側に大陸が広がり、大陸国家の侵攻を恐れつつも、
  3方を海に囲まれてもいる為、海洋国家に狙われる危険性をも持つからです。
  史実に於いても、イタリアはフランス・ドイツ(神聖ローマ帝国)・オーストリアなど、
  ヨーロッパ大陸側の大国から干渉を受け続け、
  また海からも、ビザンツ帝国やイスラム勢力の侵攻に晒されました。
  ローマ帝国の栄光というは、帝国がイタリア半島の周辺を全て飲み込み、
  外部からの脅威を排除したことが、その栄光達成の要因としてありました。
  
  こうした地理的特徴はWW2に於いても例外ではなく、
  大戦の中盤から終盤に掛けて、イタリアのムッソリーニ政権は崩壊し、
  北アフリカから海を渡り侵攻するアメリカ・イギリス軍と、
  大陸側から入り込んだドイツ軍とが、イタリア半島に於いて衝突。
  イタリア本土は両陣営が激突する戦場となりました。

イギリス
  世界に冠たる大英帝国・イギリス。
  以前は、太陽の沈む事なき大帝国を構築した栄光を誇りながら、
  20世紀に入ると、アメリカ、そしてドイツに生産力が追い越されるものの、
  未だ世界の大国として君臨する海洋国家です。
  
  イギリスは、ヨーロッパ大陸に寄り添う島国国家である為、
  大陸側に自国を脅かす強大な国家の誕生を恐れ、欧州の勢力均衡を基本政策とし、
  特に西欧の大国であり、イギリス海峡を挟んで向き合うフランスとは、
  欧州情勢で、海外植民地情勢でと、宿命的な対立を続けました。
  が、しかし、19世紀後半にドイツ民族による統一国家・ドイツ帝国が誕生すると、
  それはイギリス・フランス両国を脅かし、対ドイツ戦略の必要性から、
  英仏両国は一転同盟国となり、WW1、WW2、植民地保持と、互いに共戦する関係となりました。
  
  地政学的に重要なのは、互いの欧州や植民地の権益を守るためにフランス、
  ドイツを東西から挟み込むためのソ連、そして何より兄弟国家たるアメリカです。
  ただし、フランスはドイツさえなくなれば元々の宿敵同士ですし、
  同じくソ連とも、勢力圏が接する事となれば欧州権益でぶつかり合い、
  アメリカとも密な外交関係を築かないと、カナダ・オセアニアを狙われる結果となります。
  
  このゲームに於いてイギリスは、スタート時の生産ポイントこそ1番の130ですが、
  世界各地に領土が分散されている為、外交的に上手く立ち回らないと、
  各地で各個撃破され、一気に滅亡へと向かう可能性も高い国です。

中国
  アジアの眠れる獅子・中国。
  東洋の大国であるのは疑いのない所ですが、近代化の波に乗り遅れた為に、
  後進国として列強国に浸食される大陸国家です。
  
  いくつもの国に分かれるヨーロッパと違い、大陸全土を覆う中国文明は、
  まさに「中華」の名に違わぬものでありますが、
  20世紀前半の中国は、清王朝の崩壊、地方軍閥の乱立、共産党の出現など、
  近代化の遅れだけではなく、国そのものが混乱状態にあり、
  世界一の人口による膨大な生産力を、確固とした形で示す事の出来ない状態でした。
  このゲームでは、スタート時の生産ポイントこそ最低の90ですが、
  これでも当時の混乱する中国状況を鑑みれば、結構高めに設定してあります。
  
  地政学的に見ると完全なる大陸国家である為、戦略的にはかなり絞られます。
  中国の歴代王朝も、東南アジアや中央アジアに対して影響力を誇りましたが、
  このゲームで重要となる列強国は日本・ソ連・イギリスでしょう。
  先ず日本は、生産力を増大させる為に中国大陸へと進出し、
  長年中国の影響下にあった朝鮮や満州を奪い取った為、日中が対立する可能性は高いです。
  またソ連も、ヨーロッパに目が行っているうちは共存が可能ですが、
  2つの大陸国家が隣接する状況では、潜在的な仮想敵国といえます。
  最後にイギリスは、南方の海より現れて中国に影響を及ぼしましたが、
  外交的うまく立ち回り対英戦に専念できるなら、そこまで怖い存在ではありません。

WW2Online初代優勝者・ほのぼのさんの各国考察   
日本(難易度:易)

  △対アメリカ
    日本からみて米国は太平洋を隔てた隣国だが、
    いかんせん東京からワシントンへの道のりは遠い。
    米国と対決するなら、欧州国家の支援が必要となってくるであろう。
    逆に、日本と米国が組んで日本はアジアへ、米国は欧州へ目を向ける戦略も十分ありうる。

  ×対中国
    日本にとって中国は有無をいわさず滅ぼすべき相手。
    中国を滅べば自国を脅かす勢力はアメリカ1国になるし、
    そもそも中国が生き残った状態では日本の進出先は非常に限られてくる。

  ○対ソ連
    序盤は対中国で組むべき相手。
    しかし、中国滅亡後は日本の進出先は自然とソ連になってくるであろう。
    逆に、ソ連からは日本を狙いにくいので、ソ連に対しては日本は優位だといえる。

  ◎対イギリス
    日本にとって英国は対米、対中を考えても是非とも組みたい相手。
    日英同盟はゲーム序盤から終盤近くまで有効に機能するであろう。

  ○対フランス
    英国ほどではないが、組んでいて損はない国。
    しかし、対米、対中を考えるとイギリスほどは利害が一致しないであろう。

  ○対ドイツ
    ヨーロッパ諸国は、基本的には序盤〜中盤と仲良くやっていくべきであろう。
    特にドイツは中盤以降の対ソで利害が一致するであろう。

  △対イタリア
    日本にとってイタリアは最も縁が遠い国であろう。
    終盤にイタリアが欧州で生き残れば、そのときにようやく接点が出てくるくらいか。

アメリカ(難易度:易)

  △対日本
    米国にとっては日本は西の目障りな国。
    ただし、日本との友好という選択肢もありえる。
    日本と棲み分けは可能だが、早期に日本を潰しておくと後々楽かも。

  ○対中国
    中国にとって米国は必須の友好国だが、米国にとっては中国はそれほど比重は大きくない。
    しかし、中国が滅ぶと日本に重石をつける国がなくなるので、
    中国が滅びないような戦略は必要だろう。

  ◎対ソ連
    地政学的に、ソ連は米国にとって最も相性がいい国。
    ソ連とは、アジア地方では日中同時攻撃、
    ヨーロッパ地方では欧州諸国への共同作戦と、米ソが組めば幅広い戦略が可能だろう。

  ×対イギリス
    英国は米国にとって最初から最後まで敵として立ちはだかるであろう。
    米国にとって自国を脅かす国はどこまでも英国である可能性が高い。
    英国包囲網が、南米攻略後の米国の最初の目的となるであろう。

  △対フランス
    英国がいるうちは仏国は味方だが、
    英国滅亡後は仏国は米国にとって、ヨーロッパで最初に攻略すべき相手になるであろう。

  ○対ドイツ
    序盤〜中盤にかけては、米独は強力な同盟を結ぶことができるであろう。
    しかし、終盤においてヨーロッパをドイツが制覇したときは、米国にとって最強の敵となるはずだ。

  ○対イタリア
    こちらも序盤〜中盤にかけては、フランスを牽制すべくイタリアは米国にとって友好国になりうる。
    しかも、アフリカに展開するイタリアは、基本的には米国と利害がそう錯綜することはなかろう。

中国(難易度:難)

  ×対日本
    奇襲を含めて、日本は常に中国を狙ってくると考えていいであろう。
    中国にとって、日本をいかに排除するか、それが中国の命運を握っている。

  ◎対アメリカ
    日本、イギリスへの牽制を考えると、米国との同盟は中国にとって生命線となるであろう。
    米国が早期滅亡したときには、中国は非常に苦しい立場に追い込まれる。

  △対ソ連
    ソ連にとっても中国は目障りな国。
    ソ日が組んで中国に攻め込むことを常に頭の片隅においておく必要があろう。
    逆に、欧州諸国と組んでのソ連包囲網を先に仕掛けるのも十分有効だ。

  ×対イギリス
    インドの利権を考えると、イギリスにとって中国は目障りな国。
    逆に、英国包囲網で最も大きな利益を受けるのは中国だ。
    その意味でも、英国包囲網は米中の悲願だ。

  △対フランス
    ベトナムの扱いが難しいが、
    基本的に仏国は中国にとって数少ない味方になってくれる可能性が高いであろう。

  ○対ドイツ
    ソ連包囲網を考えると、中独は組むのに相性がいい国だ。
    ドイツもソ連と相性が悪いので、ソ連包囲網にドイツも食指を動かすはず。

  △対イタリア
    イタリアとはそう利害がからむことはないが、組んでいてそう損はないであろう。
   しかし、序盤の日英ソに包囲された状態で、イタリアと組むのはあまりに力不足だ。

ソ連(難易度:普通)

  △対日本
    ソ連のアジア政策は難しい。
    日中どちらかの国が生き残れば、その生き残った強大な国はソ連の東方を脅かすであろう。
    ソ連にとって、日中共存→日中同時滅亡という戦略が最も効果的だ。
    そのためには、アメリカの協力は欠かせない。

  ◎対アメリカ
    ソ連にとっても米国は最も組むのに利害が一致する国だ。
    ソ米が連携を密にすれば、そうそう窮地に陥るものではない。
    しかし、第1回優勝者大会のように、ソ米vs他の国という体制にならないような注意も必要だ。

  △対中国
    中国はソ連にとって当面の東の脅威。
    しかし、中国を滅ぼしても日本が東の脅威に置き換わるだけなので、
    中国がいなくなれば何とかなるというわけではない。

  △対イギリス
    ヨーロッパ戦線では組んで損はない相手。
    しかし、英国包囲網もソ連にとってそれなりの利益がある。臨機応変の対応が必要だ。

  ○対フランス
    ヨーロッパ諸国の中で最も組みたい相手。
    ソ仏同盟により、対独、対伊で盤面を優位に進めることができるであろう。
    ディプロでもWW2onlineでも、ソ仏は相性がいい。

  ×対ドイツ
    ソ連にとっては西の脅威。
    ドイツがヨーロッパで勢力を伸ばすのはソ連にとって悪夢に過ぎない。
    フランスやイギリスと組んで早期に滅ぼすべし。

  △対イタリア
    ヨーロッパ諸国の中では組んでもいいし早期に滅ぼしてもいいし、
    ソ連にとってイタリアの重要性はそう大きくないであろう。

イギリス(難易度:普通)

  ◎対日本
    宿敵たるアメリカを倒すためにも、日本との連携は最低条件かつ必須のもの。
    また、中国を追い落とすためにも日本の協力は欠かせない。
    日英同盟は史実でもこのゲームでも、イギリスにとって大きな利益を与えることになりそうである。

  ×対アメリカ
    アメリカとはカナダ領有、オセアニア植民地の防衛、
    そして中国の帰趨についてイギリスと激しく利害が反するであろう。
    カナダ無条件譲渡も手だが、そうなるとアメリカにとって益々
    ヨーロッパ進出のチャンスが増えるだろう。

  ×対中国
    中国の当面の進出先として、インド地方のイギリス植民地が選ばれることが多い。
    アメリカと中国は一体的に動くと考えていいだろう。
    中国に対しては機先を制しないとアジアの足掛かりを失うだろう。

  △対ソ連
    イギリスとソ連との相性はそう悪くはない。
    しかし、首都同士は決して遠くは離れていないので、
    イギリス包囲網ができたときにソ連がこれに加わる可能性も高いであろう。

  △対フランス
    イギリス海峡を隔てた隣接国だが、
    ゲーム序盤は植民地交換等で友好的な外交を行うことができるであろう。
    しかし、それはあくまで序盤のみ。
    中盤からはフランスにとってイギリス攻略は一つの選択肢となりうる。

  △対ドイツ
    これまた北海を隔てた隣接国であり、
    ヨーロッパの覇権争いで英独が対決する場面も必然と出てくるであろう。
    しかし、反仏、反ソで独英が結束することも十分に可能だ。

  ○対イタリア
    イタリアはイギリスにとってヨーロッパ諸国で唯一の相性のいい国だ。
    イタリアの早期滅亡はイギリスにとっても苦しくなるであろう。
    しかしイタリアの進出先はアフリカなので、アフリカの領土割譲等、柔軟な対応が必要だ。

フランス(難易度:易)

  ○対日本
    フランスにとって日本はそう利害が対立することはない。
    地政学的にも、序盤〜終盤にかけて日本はいい盟友になれるであろう。

  △対アメリカ
    こちらも基本的には利害が対立することはそうないが、
    アメリカのヨーロッパ進出の第1歩はイベリア半島→フランスとなるのが定石なので、
    アメリカをノーマークにするとフランスが真っ先に飲み込まれる可能性が高い。

  △対中国
    ベトナム問題が喉に引っかかった魚の骨のようだが、
    フランスにとって、ベトナムを諦めれば、
    中国は中盤以降、戦略的なパートナーとなれるであろう。

  ◎対ソ連
    フランスにとってソ連は対独、対伊を考えるとどうしても組みたい相手。
    ソ連が東を向いているときは、ヨーロッパの中でも孤立も覚悟する必要があろう。

  △対イギリス
    イギリスを担当した場合と同様、ゲーム序盤はイギリスと仲良くできるが、
    中盤以降はどうしても相手を意識してしまい、共同作戦を取るのは難しいと思われる。

  ×対ドイツ
    首都が隣り合う同士の国はどうしても宿敵になってしまうのは仕方のないところ。
    ドイツはゲーム開始時に植民地がないので、そのままドイツとの対決は避けられないであろう。

  ×対イタリア
    こちらもフランスにとっては厄介な国。
    フランスはヨーロッパ、イタリアはアフリカと棲み分けも可能かと思われるが、
    常にイタリアはパリを狙っていると考えたほうが良さそうだ。

ドイツ(難易度:難)

  △対日本
    ゲーム序盤から中盤にかけてはゲーム上ドイツと関係することはそうないだろう。
    終盤にドイツが生き残っていれば、独日は友好的な関係を築くことができよう。

  ○対アメリカ
    フランスを牽制するという意味では、独米同盟は大きな力を発揮しよう。
    しかし、ドイツがヨーロッパ制覇するまで、
    アメリカが見逃してくれるかというとそう甘くはない。

  ○対中国
    こちらは対ソを考えると是非とも組みたい相手。
    ドイツは英仏ソ伊に囲まれているので、
    近攻遠交というように遠隔の国との外交が重要となってくる。

  ×対ソ連
    ワルシャワを挟んで隣接する国。
    ソ連にとってもドイツは目障りなので、
    できればソ連包囲網を中国や他の国と形成して序盤〜中盤には葬り去りたい。

  △対イギリス
    ソ仏ほどではないにしても、なかなか友好関係を築くのが難しいのがイギリスという国だ。
    だが、イギリス包囲網が形成されたとしても、ドイツにとって美味しいところは何もない。

  ×対フランス
    首都が隣り合う関係もあって、どうしてもフランスは対決しなければならないであろう。
    しかし、フランス領をそのまま飲み込めば、ドイツにとって光が見えてくるはず。

  △対イタリア
    ソ仏に比べると共存は可能だ。
    しかし、終盤までイタリアを残しておくのは得策ではなく、
    ゲーム中盤あたりに滅ぼしたいところ。

イタリア(難易度:難)

  △対日本
    ドイツと同じく、ゲーム終盤まではイタリアの外交に日本が絡んでくることはそうないだろう。
    情報交換を行うくらいがせいぜいだが、関係は細々とでも続けたほうが良さそうだ。

  ○対アメリカ
    対フランスという観点からは協力関係になることもできそうだが、
    いかんせん米国にとってイタリアはどうでもいい国なので、積極的なアプローチが必要だ。

  △対中国
    基本的に、アジアの国はイタリアにとってそう重要ではない。
    しかし、仏中や米中の対立を引き出すことができればしめたものだ。

  △対ソ連
    対ドイツという観点からは協力関係になることもできるが、
    ソ連にとってイタリア攻撃もドイツ攻撃と同じくらい魅力的であることは自覚すべきであろう。

  ○対イギリス
    イタリアにとって英国はヨーロッパ諸国の中で唯一組める国だ。
    英国と共にフランス攻撃を行い、アフリカの仏植民地を攻略するのがポピュラーな戦略か?

  △対ドイツ
    首都こそ接していないものの、ドイツにとってイタリアは不気味な国だ。
    逆に、ドイツを滅ぼしてベルリンの生産力50を手に入れれば、イタリアの飛躍につながるであろう。

  ×対フランス
    しかし、イタリアにとってはやはりフランス攻撃を最優先させたい。
    イタリアの優勝は、いかにして早期にフランスを滅亡させるかにかかっている。



WW2オンライン欧州戦場・メガネっ子ネキさんの各国考察   
イギリス
   初期領土獲得が難しくスタートダッシュができにくい。
   小国参加ナシの弊害を最も食らった国であることは間違いない。

  対フランス ★★☆☆☆
    基本的に味方になることは多くない。
    ドイツの動き次第ではあるが、早めに倒して損はない。
    イギリス初優勝の52回はブラックプリンス(対フランス)の典型例。


  対ドイツ ★★☆☆☆
    フランスほどではないが厄介。
    仏独に連携されるようでは勝機は薄い。
    逆アシカ(対ドイツ)の典型例は75回か。

  対イタリア ★★★★☆
    アフリカさえ無視すれば最高のパートナー。
    特にフランス戦時では共同作戦が取りやすい。

  対ソ連 ★★★☆☆
    逆アシカ戦略をとるなら組みたい国。
    ただしフランスとの相性と北欧での利害対立には注意。

フランス
   このゲーム最強の仏ソ同盟を武器に西欧を制圧したい。
   とはいえ英独伊vs仏ソは危険。

  対イギリス ★★☆☆☆
    55回や66回のように独伊が疎遠orどちらかが消滅のときは
    イギリス戦を優先して角地を確保するのも良い。
    ドイツ戦を優先する場合は37回のように生産力で差をつけて
    長期戦に持ち込めばタイマンでも勝ちやすい。

  対ドイツ ★☆☆☆☆
    目下最大の敵。
    一応イギリス戦やイタリア戦での連携機会こそあるが、
    ソ連と共同でサッと滅ぼしてしまうのが鉄板。

  対イタリア ★★☆☆☆
    72回などイタリア戦を最優先で行ったケースもある。
    仏独同盟を敷く場合はここが目標になる。

  対ソ連 ★★★★★
    フランスにとって最大にして最強のパートナー。
    フランス勝利時は最終盤までソ連が残るケースが多い。
    (ソ連自体が残りやすいというツッコミは禁句)

ドイツ
   地理的には4国に囲まれている。敵となる国を絞れるかが鍵。
   オランダやチェコなど生産力の高い地域が周囲に多くスタートダッシュは良い。

  対イギリス ★★★☆☆
    陸軍国家のドイツにとってイギリスを攻める旨味は少ない。
    とはいえ、イギリスがデフォルトで所有する北海はケルンと隣接し、
    ドイツの脅威になるに十分だ。

  対フランス ★★☆☆☆
    4国中相性は最もよろしくない。
    最初にソ連と戦う場合はイギリスに押し付けるのも良いだろう。

  対イタリア ★★★☆☆
    フランス戦、ソ連戦と史実通り共闘の機会が多い国。
    しかしオーストリアの扱いがネックになるのもまた史実通りといえる。

  対ソ連 ★★☆☆☆
    ソ連の強さを考えるとバルバロッサ(対ソ連)も視野に入る。
    タイマンだとやや分が悪いのでソ連と相性の悪いイタリアを引き連れるのが吉。

イタリア
   仏ソ同盟に抗うというのはドイツと似た構図。
   しかし、こちらの場合はソ連との対決を強いられる可能性が強い。

  対イギリス ★★★★☆
    利害が対立しにくく比較的組みやすい。
    英仏連携されると苦しいのでフランスに目を向けさせておこう。

  対フランス ★★☆☆☆
    隣接国ということもあり微妙な相性。
    イタリアにとってフランス戦の旨味は大きいが、
    ソ連ほど怖い敵というわけではない。

  対ドイツ ★★★★☆
    オーストリア問題さえなんとかなれば価値の高い戦略パートナーとなる。
    序盤でソ連を止められるのは独伊のバルバロッサだけ。

  対ソ連 ★☆☆☆☆
    ソ連にとってはドイツよりもイタリアの方が狙いやすく、
    イタリアにとっては天敵となる。
    イギリス、フランスの助力が期待できない以上ドイツとの連携は欠かせない。

ソ連
   他4国から離れた角地に位置する超好条件国家。
   バルバロッサに気をつけながら他国の潰し合いを高みの見物しよう。

  対イギリス ★★★★☆
    海軍苦手芸人であるところのソ連にとっては敵に回す必要のない国。
    フランスを滅ぼされるのは困りものだが、
    そうでなければ最後まで友好関係を保つのもアリ。

  対フランス ★★★★★
    仏ソ同盟はソ連唯一の弱点であるバルバロッサを封じる最高の手段。
    仏独の相性は良くないためここにドイツを担当してもらうのがベターか。

  対ドイツ ★★☆☆☆
    バルバロッサを狙うソ連の敵。
    一応、仏英に牽制してもらいながらならこことの共存も可能。

  対イタリア ★☆☆☆☆
    フランスが手を出しづらいイタリアはソ連の第一目標に最適。
    ドイツとの関係を引き裂ければより一層楽になる。



     大陸国家
        
        海に面する国土が少なく、主に陸上に於いて他国と国境を接する国家では、
        国家躍進の為には、海軍の強化よりも陸軍の強化を必要とします。
        典型的な国家としては、ロシアや中国などがそうですね。
        
        大陸国家は多くの陸地と接するため、陸軍が強大であれば領地も巨大化し、
        敵からの攻撃を受けずらい内陸部の恩恵を得ることも出来ます。
        しかしそれは逆に、多くの方面で他国との隣接が迫られる事となり、
        常に他国の脅威を受け続けると言う弱点をも孕んでいます。
        
        またその特徴の違いから、海に面する巨大な大陸国家は、
        必然的に巨大な海洋国家と対立することも多くなります。
        冷戦期の米ソ対立は、その典型例と言えるのかも知れません。

     海洋国家
        
        海に面する国土が多く、特に4方を海に囲まれた島国国家などでは、
        国家躍進の為には、陸軍の強化よりも海軍の強化を必要とします。
        イギリスや日本が典型的な海洋国家ですが、アメリカなどもそうですね。
        
        海を介することにより巨大化する海洋国家に於いて、海軍力が大きく影響し、
        飛び石的に領地を広げられる反面、特にシー・レーンの確保は重要となり、
        同海域に存在する海洋国家とは、外交的にうまく折り合いが付けられない場合、
        対立する宿命にあると言えます。
        
        またその特徴の違いから、海を介して広がる巨大な海洋国家は、
        必然的に巨大な大陸国家と対立することも多くなります。
        冷戦期の米ソ対立は、その典型例と言えるのかも知れません。

     島国国家
        
        国の4方を海で囲まれた島国は、その地理的条件から必然的に海洋国家となり、
        4方の海は敵からの侵攻を防ぐ防壁となり、海運の輸送力を活かす事も出来ます。
        
        ただし弱点としては、島という人口や生産力も限られる地理的条件では、
        それを補うために海の向こう側への進出を余儀なくされることが多く、
        その為には、攻防一致の海軍強化が必要となるものの、
        そうした明確な強化策がある為、戦略は立て易いと言う側面もあります。
        
        以下、海洋国家で。

     半島国家
        
        半島国家は半島の先に大陸を擁している為、常に大陸側で巨大国家が誕生する危険性を孕み、
        尚かつ3方を海に囲まれているので、大陸国家の侵攻に対して逃げ場が無く、
        また海洋国家からの侵攻の危険性にも晒されているため、大変厳しい地理的条件を背負っています。
        
        朝鮮半島はそうした半島国家の典型例と言えるでしょう。
        大陸側には中国の歴代王朝があり、名に実に内政に対して干渉を受け、また侵攻もされました。
        高麗、李氏朝鮮と言った朝鮮王朝の変動も、中国側が動乱期にあった事と無縁ではありません。
        半島国家が大陸国家からの危険性を排除できるのは、
        大陸側が混乱にあるか、大陸側をも飲み込むしかないのですから。
        
        また3方を囲まれた海からは、海から刀伊や倭寇の侵略を受けたりと、
        まさに半島国家の苦悩を背負った国と言えます。


    地政学10箇条
        
     第1条、国際政治は自国の生存と繁栄のみを目的とする
        国家とは常に、自国の安全と利益を考えて行動すべきものです。
        国益よりも、自身の利益を考え行動した指導者たちの多くは、
        「売国奴」の名の下に失脚していきました。
        
     第2条、国際関係は手段を選ばず、損得だけで考える。
        第1条にあるように、自国の生存と繁栄を考えるのならば、
        手段など選んではおられず、常に損得のみで行動すべきである。
        国際政治という戦場においては、生き抜くことこそが最重要課題であり、
        良い行いをしても、殺されてしまっては元も子もありません。
        
     第3条、善悪は擬装の道具である。
        第2条の続きとも言えますが、国際政治は生存競争である以上、
        生き残るためには、善悪に関係なくどんな手段でも実行すべきです。
        所詮善悪は、自身を正当化したり、相手を非難したりするだけの道具です。
        現在、「人権カード」はこれのもっとも最たるものでしょう。
        
     第4条、隣接する国は敵国である
        隣接していれば、互いに利害関係でぶつかる事も多く、
        どんなに友好関係を築こうとも、潜在的な敵対国であるのは間違えないでしょうね。
        そもそも、真に仲が良く対立点などが無ければ、
        2つの国ではなく、当然1つの国として成り立っているでしょうからねえ。
        また君主論の著者マキャベリも「隣国を援助する国は滅びる」と言っています。
        
     第5条、敵の敵は戦術的な味方である
        敵の敵は味方というのは、まあ戦略的には当然のことですね。
        第4条の「隣接する国は敵国である」と言うのも、
        例えば、その隣接する両国を恐怖させる敵が存在する場合、
        その脅威を退けるまでは、敵国であったとしても手を組むことが出来るという訳です。
        
     第6条、敵対していても、平和な関係を作ることはできる。
        まあ敵対しているからと言って、常に戦争をしている訳でもなく、
        第1条にもあるように、自国の利益が得られるのであれば、
        例え仮初めであったとしても、平和的な関係を築くことも可能と言う訳です。
        両国の利益共有による妥協的平和とで言えば良いでしょうかね。
        
     第7条、国際関係は利用できるか、利用されていないかで考える。
        第2条にあるように、国家は自国の利益のためだけに動きます。
        その為には、自国が有利になるように、
        世界各国はいかに他国を利用を考えている訳です。
        ですので、他国をいかに利用するか?
        そして、他国が自国を良いように利用していないか?
        国家の指導者たるもの、それを考えて行動すべきです。
        
     第8条、国際関係を2国間だけでなく、多国間的に考える。
        世界では多くの国が複雑に入り組んでいる為、
        自国の利益拡大が、思わぬ国の権益を損なうという事も珍しくありません。
        ですから国際政治は、当事国である2国間だけでなく、
        多国間的に考慮し、行動しなければなりません。
        日清戦争後の三国干渉は、この顕著な実例と言えましょう。
        
     第9条、決して他国を信用してはならない。
        第1条から第8条までを見ても分かるように、
        他国は常に油断のならない相手であり、利用しても信用してはいけません。
        他国は利益拡大のために、虎視眈々と自国の隙を狙っているのですから。
        チャーチルは「我が国以外は全て仮想敵国である」と語り、
        キッシンジャーも「国家に真の友人はいない」と言っています。
        
     第10条、科学技術の発達を考慮する
        多くの人間は、自身の経験から対策などを考えますが、
        科学技術の進歩は恐ろしく速く、それを常に考慮しなければいけません。
        人類は、ライト兄弟の人類初飛行(1903年)から、
        たった66年で月面着陸(1969年)まで至ったのですから。
        マジノ戦や大艦巨砲主義も、教訓となる事項でしょう。
        
     補項、優れた陸軍大国が同時に海軍大国を兼ねることはできない(その逆も然り)
        これは陸にも、海にもと、両方に巨大な資金を投入できない事から、
        このように言われていましたが、1人勝ちする超大国が現れた場合、
        必ずしも、この限りとは言えません。
        
        
     この10箇条に関してはこのスレッドを参考に作りました